昨日、第二回定例会の最終日。新型コロナウイルス感染症対策として総額5,832億円の補正予算を全会一致で可決しました。

 第二回定例会は、5/27に開会、6/2代表質問、6/3一般質問が行われ、6/5に厚生委員会で質疑、6/8に決定しました。
 今回、私は一般質問を行いました。質問文は下記のとおりです。
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 質問に先立ち、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に対して、心からの哀悼の意を表します。

 はじめに、新型コロナウイルス感染症の迅速 適切なデータの把握と都民への周知について伺います。
 感染症法では、PCR検査、入院・移送・退院の勧告や指示、そして費用負担は、全て保健所設置自治体の権限と責任において行い、感染症の情報は、保健所自治体から直接厚生労働省に報告することとなっていますが、東京都においては、区市との協定により、都が取りまとめて厚労省に報告しています。
 感染症が発生した際の情報の集約は、感染症サーベイランスシステム(NESID)に医療機関から送付される発生届情報を入力し、全数把握を実施することになっていますが、関係機関における業務過多の状況の中で、NESIDとFAXが併用され、報告漏れや二重計上などによる集計ミスが相次ぎました。
 昨日のわが会派の代表質問で、東京都版CDCの設置や感染症サイトで開示すべきデータの充実に関して取り組みを求めましたが、正しい基本データの集約なくして、適切な感染症対策を講じることはできません。
 国の新たなシステムを機能させるためには、

Q1.NESIDの情報と都が導入したデータベースとの整合性を図ると同時に、医療機関や保健所などにおけるオペレーションが確実に実行されるよう、運用体制の確立と関係機関の役割の明確化、サーベイランスフローの再構築が不可欠だと考えますが、都の見解を伺います。

 都の健康安全研究センターは、陽性者の発見や治療のためのPCR検査に忙殺されました。現在では、(東京都)医師会のPCRセンターや、民間検査機関に依頼する仕組みが出来ました。そこで

Q2.患者の発見・治療のためのPCR検査は、医師会や民間検査機関を中心に行い、保健所と都の健康安全研究センターは、主に、都内における(新型コロナウイルス感染症の)感染の状況や傾向、経路の追及など、政策立案に資するPCR検査や、症状の重症化傾向や症例から得られる知見の分析などを担い、そのデータを政策の立案に提供するべく役割を明確にすべきと考えますが、都の見解を伺います。

 感染症の発生状況などに関する情報は、感染症法において、「積極的な公表」を規定しつつ、他方で、個人が特定されないよう個人情報保護の留意が求められています。
 厚労省は、基本方針を示したものの、具体的な公表内容は自治体の裁量に委ねられており、都道府県によって対応は分かれ、全国知事会は国に統一的な公表基準を求めたところです。
 「東京都新型インフルエンザ等対策行動計画」では、患者等の個人情報の公表する範囲については、平成21年に発生した新型インフルエンザにおける個人情報の公表範囲を基本とするとしており、区市町村に対し、公表範囲に沿った情報を迅速に提供し、公表する情報内容のレベルが都内でばらつき、混乱が生じることのないよう留意する、とあります。
 しかし、都が、区市町村別の公表を開始する以前に複数の自治体が独自公表を始め、自治体間での取り組みの違いが、結果として、現場における相談業務に支障をきたした事例も報告されています。
 国に統一的な情報公開の基準を定めるよう求めるとともに、国が基準を示さない場合には、

Q3.都独自で、感染症の感染拡大のフェーズに応じた公表基準・公表範囲を定めるべきと考えますが、都の見解を伺います。

 感染症リスクとは、医療的対応以上に「パニック」との対峙が重要だと指摘する専門家もいます。米国のCDCは、「Be First(初めが肝心)」「Be Right(正しい情報を)」「Be Credible(信頼を得る)」など、リスクコミュニケーションの重要な視点を示しています。
 「正しく恐れる」ためには、

Q4.正確な状況把握と適切な情報開示のもと、リスクコミュニケーション、リスクマネジメントを図ることが重要だと考えますが、知事の見解を伺います。

 これまで、感染症指定医療機関を中心に、患者を受入れ、各病院が連携・分担し対応してきたことは、既存の枠組みの中で機動的に対処する点では一定の成果があったと理解します。一方、各病院の負担は大きく、わが会派から、院内感染や救急搬送などの解消を図るべく、コロナ専用医療機関の設置を求めてきました。

Q5.第2波に備え、補正予算(案)に調査費が計上された専用医療機関の整備をどのように進めていくのか、見解を伺います。

 第2波を抑えるためには、軽症者や無症状感染者への対策、健康観察終了後の適切な対応が重要です。厚労省は軽症者の宿泊施設での療養を基本とする方針を示していますが、実際は、自宅療養を望む方が多く、外出など感染管理対策が徹底されない事例や家庭内感染、症状の急変なども報告されています。
 症状の急変を検知するパルスオキシメーターなどが配備された

Q6.宿泊療養を促すと同時に、宿泊施設において、ロボットによる配膳方式の導入や、オンラインによる対面での聞き取りなど、接触を避ける体制を整備すべきと考えますが、都の見解を伺います。

併せて、

Q7.第2波に備えた宿泊療養施設などへの積極的な導入など、都として非接触型技術をはじめとする最先端技術を活用し、新たな生活スタイルを前提としたデジタルトランスフォーメーションを一層推進していくべきと考えますが、見解を伺います。

 6月1日にステップ2へと進んだのも束の間、昨日、都内で34名以新規感染者が確認され、東京アラートを発令する事態となりました。
 これが第2波になるのではないかと、都民は大きな不安を覚えるとともに、発生原因に関心が集まっています。
 ステップ2に至るまでには、都民、国民の甚大な犠牲が払われてきたことは言うまでもなく、仮にステップ1、ステップ0へと戻ることになれば、経済的損失はおろか、生活苦から都民の生命は一層危険に晒されます。

Q8.東京アラートが発令され、改めて都民の皆様に、強い危機感を共有いただくことで、感染拡大が抑止されることを願いますが、今後、新規感染者が増加傾向になった際には、東京都ロードマップで示した再要請となる目安の数値を参考にしながら、何よりも医療崩壊リスクを指標に、常に柔軟に休業要請の判断を行っていくべきと考えます。知事の所見を伺います。

 この間の都の報告によれば、多くの新規感染者が夜の街で感染していると聞きます。感染拡大防止は、都内の全ての皆様にご協力をいただいてこそ、達成できるものと誰もが承知していますが、明らかに感染しやすい業態については、重点的に休業要請にするなど、メリハリのある対策が必要ではないかと考えます。「夜の街への外出を控えてください」と呼びかけますと、クラスター歴のない、例えば接待を伴わない静かなバーなども一緒くたにされてしまう傾向にあります。また、この間に感染者を出していない施設も含めて、ステップが逆戻りしますと、得られる効果に対して、犠牲が甚大です。

そこで、

Q9.今後の対策として、都は、どこで、どんな業態で新規感染者が発生したのかなどを都民に明らかにするとともに、感染発生している特定の業態に対し、強く休業要請を行う方策を検討するべきです。必要があれば、国に対し法整備も含めて求めていくべきと考えますが、見解を伺います。

 昨日の代表質問で、高齢者施設への感染防止策の強化や手当支給などについて答弁がありました。
 一方、訪問、通所、短期入所においては、事業者の休業も相次ぐ中、厚労省が打ち出した介護報酬の特例などの臨時的なサービスでは、介護保険料の算定の低さなどから通所介護事業所などの休業や縮小に歯止めがかからず、期待された効果は発揮されない状況でした。高齢者のサービス利用の休止や縮小は、事業者の経営難、家族の負担増につながると同時に、利用者である高齢者の運動機能や認知機能低下などの問題が浮き彫りなっており、これに対して、例えば、タブレットを使用した身体機能や生活機能訓練など、「遠隔介護・オンライン介護」のしくみを構築することは、人材不足や危機発生時におけるサービス休止を回避する施策として有効だと考えます。

Q10.「Withコロナ」の介護のあり方を見据えて、タブレットをはじめとする通信機器など、介護事業者のICT導入支援のさらなる強化を図るべきと考えますが、見解を伺います。

 遠隔医療、オンライン診療への期待も高まっています。国は、初診からオンライン診療を可能としましたが、時限的な措置とされています。都は、国に対して、オンライン診療が定着するよう、恒久的な対応を要請し、医療事業者がオンライン診療に取り組みやすい環境整備を支援すべきです。

Q11.オンライン診療に必要な機器やシステムを導入する際に、都が導入経費やリース代を支援することで、医療事業者のオンライン診療に対する投資リスクを軽減する施策を導入すべきと考えますが、見解を伺います。

 5月の大型連休中、関東圏において緊急地震速報が相次ぎました。コロナ禍においても災害はいつ発生するか分かりません。国は、感染症対策に万全を期すことを求めると同時に、避難所を増設するよう防災計画を改定しました。
 帰宅困難者対策としての都立一時滞在施設については、地元自治体や地域との連携による立地や特性に応じた運用が不可欠です。

Q12. 今後、梅雨や夏の集中豪雨、9月、10月の本格的な台風シーズンを迎えようとする中、都立施設の活用に向けた協定締結を加速させると同時に、具体的運用に向けた準備を整えるべきと考えますが見解を伺います。

 また、震災、風害、水害、雪害、富士山噴火等々、

Q13.多様化、激甚化する様々な災害、感染症発生期における複合型災害などを想定し、長期的かつ複眼的な視点でホテルや旅館などと協定を結び、避難所の確保を図るべきと考えますが、見解を伺います。

 19年ぶりに都の災害対策本部を設置した昨年の台風19号では、避難指示、避難勧告などの行政指示や避難所の開設など、東京都災害情報システム(DIS)の運用による定時報告に対応し切れないのが実態でした。
 大型台風接近時において、区市町村は、国交省、気象庁など関係機関の情報から、避難に関する行政指示の判断を下さなければならず、避難勧告などを出す判断基準を求める声もあります。
 災害発生時には、都が、広域的かつ連動する地域的な情報の把握や調整、プッシュ型支援にもつながる情報の収集を行い、区市町村の支援につなげる体制を構築することが極めて重要です。

Q14.大規模災害の発災時において、関係機関の情報の収集・集約を担い、都との連絡体制がとれる防災業務に精通したリエゾン(災害対策現地情報連絡員)の各自治体への派遣など、都との情報連絡体制を強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

 気候変動にともなう近年の台風の大型化が指摘される中で、直近3年間では水防第三非常配備態勢3回、水防第二非常配備態勢が1回発令されており、多くの消防団員がその任にあたっています。一方で、被雇用者や女性、学生が7割を超える現状において、特別区消防団のより効率的な活動のあり方も求められていると考えます。頻発化する大型台風は、その規模、時間などが事前に予測できることから、より計画的かつ効果的な消防団の出動要請や役割を示す必要があると考えます。

Q15.参集の仕方、参集後の活動について、大型台風接近時における消防団の任務をタイムライン(行動計画)として明示すべきと考えますが見解を伺います。

また、

Q16.機能別団員制度の導入によって、基本団員との役割分担と連携強化を図り、総合的な活動力向上に結びつけるべきと考えますが、見解を伺います。

以上