先日の公開勉強会で、都民ファーストの会としての議会基本条例(案)の理念等を発表しました。現段階の案であり、今後、修正を加える可能性もありますし、「議会改革検討委員会」としては、議会基本条例に対するスタンスも含めて、各会派の議会改革への考え方を集約し、合意を得ながら改革を前進させていくことになります。議会基本条例はすでに政令市で8割以上、都道府県と中核市では6割以上が制定しており、制定すること自体が目的ではなく、他の議会をけん引するような内容とすることが重要だと考えます。今回示した理念とこれまでの課題および目指すべき取り組みの方向性を掲載します。

1.情報公開

【これまでの課題】現状は、委員会の議事録の公開に3カ月かかるなど、都民に情報が迅速に届いていない。また、審議日程、議案、その賛否結果、陳情結果など、多くの情報が未だ公開されていない。

【取り組みの方向性】・議事録(速記録)の早期公開 ・審議日程と議案の事前公表 ・議案の賛否結果の公開 ・陳情結果の公開 ・特別委員会のネット中継

2.ダイバーシティ

【これまでの課題】都議会は13時開始が慣例となっており、議事が深夜に及ぶことも多い。特に、子育て世代の議員にとっては大きな負担。また、産休時の代理投票などの仕組みも未整備。

【取り組みの方向性】・議会開始時間の見直し ・産休取得期間の明記 ・看護休暇、配偶者出産休暇 ・産休取得時の代理投票 ・傍聴者のバリアフリー

 3.広報広聴・都民参画

【これまでの課題】これまでは議会として都民の声を聴く場面が限られ、また、議会からの発信も紙面による都議会だよりなどに限られていた。1,380万人の都民から広く意見を聴く方法がなかった。

【取り組みの方向性】・議会報告会の開催 ・電話調査、インターネット調査の実施 ・SNSを活用した議会としての発言 ・シティズンシップ教育 ・テレビ討論会の活性化

 4.議論の充実

【これまでの課題】都民にとって都議会の議論は、質問と答弁の対応が非常にわかりにくい。また、知事・行政側は答弁しかできず、議員間討議も行われていない。

【取り組みの方向性】・本会議における一問一答方式 ・議場へのプロジェクタ導入 ・知事の反問権の導入 ・議員提案条例の活用

 5.政策推進、調査機能の強化

【これまでの課題】都議会は

議員より議会局職員の人数が多い唯一の地方議会だが、その専門性を十分に活かせていない。また、行政との情報格差が大きく、議員提案条例も少ない。

【取り組みの方向性】・議員提案条例の活用 ・調査機関、シンクタンクなどの活用 ・議会局職員の政策立案サポート ・国会図書館に準ずる調査機能

 6.その他

●大規模な災害等への対応 議会版BCPの作成

●行動計画を定期的に策定。施行状況等について総括及び検証を行い、条例の不断の見直しを実施

以上